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4本目の短針の謎
仕事柄よく使い方の分からない道具などを目にする機会が多いのですが
そしてそれはそれで使い方を勝手に考えればよいと思うたちなのですが…

※画像 SEIKO壁掛時計sold
4本目の短針の謎_c0080142_179862.jpg

先日気になる時計を仕入れました。短針が2本?のSEIKO壁掛時計
さすがにこれは使い方を勝手に考えればよいというわけにはいかず…
4本目の短針の役割をどうしても調べてみたくなりました。

この時計が10時ジャスト示す時、4本目の緑の短針の位置は1時ジャスト。
緑の短針は黒い長針と短針に連動して動き、いつも3時間先を指すのです。
何か意味ありそう?

もう一つの謎は文字盤の赤と緑の模様。
この時計、ショップ別注モデルがいくつかあるのは知っていますが
文字盤に模様が入っているのを見たのは初めて???
これまたただの模様にしては意味ありそう
12と3と6と9を3分ずつ塗りつぶしてあるように見えます???
なぞは深まるばかり…



調べました

まずSEIKO本社に電話しました。
詳しく時計の仕様の説明をして担当の人に調べてもらいましたが
「申しわけございません。特注品の可能性もあるが詳しくはわからない…」とのこと
「わかりました」と電話を切り落ち込んでいたところ
10分後、今度はわざわざSEIKOさんから電話。
「文字盤のデザインが船舶用時計の可能性がある」と教えてもらい
今度は広島のSEIKOに電話していただければわかるのではないかといわれ(なぜ広島なのかわかりませんが船舶に強いから?中国地方だから?)
そして広島のSEIKOさんに電話。
紹介してもらったのですぐにわかるものだと思って"キーワード"になる船舶用という言葉を使ってみましたが…
よく理解してもらえず本社の担当の方に説明した話しをまた繰り返すことに…
受話器を持ちながら同時にネットで船舶用 時計と検索していると…
同じようなデザインの時計画像がでてきました!
ここまできたらなんとか自力で解決できそうなので
電話でお話ししている方にもそう伝え電話を切りました。

あーすっきりしました。

どうやら船舶仕様の時計のようです。
船舶無線には「沈黙時間」というものが存在する(した?)らしいのです。
なんでもタイタニック沈没がきっかけになったとか。


詳しくは下の説明を

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
古い電波法の抜粋
※現在では改正されているようです。


(沈黙時間)
第六十四条 海岸局及び船舶局は、中央標準時による毎時の十五分過ぎから十八分過ぎまで及び四十五分過ぎから四十八分過ぎまで(「第一沈黙時間」という。以下同じ。)は、四百九十キロヘルツから五百十キロヘルツまでの周波数の電波を発射してはならない。ただし、遭難通信若しくは緊急通信を行う場合又は第一沈黙時間の最後の二十秒間に安全通信(通報の部分を除く。)を送信する場合は、この限りでない。
2 海岸局及び船舶局は、毎時六分をこえない範囲内で郵政省令で定める時間(「第二沈黙時間」という。以下同じ。)は、前項の周波数以外の電波であつて郵政省令で定めるものを発射してはならない。
3 第一項但書の規定は、前項の場合に準用する。
それはある周波数で指定された時間に海上にいる船舶SOSの無線を受信するため


●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


第一沈黙時間は赤い印。第二沈黙時間は緑の印
いつも3時間前を指していると思い込んでいた4本目の短針が示していたのは中央標準時。(グリニッチ時間。日本との時差は9時間)
勝手に3時間先を指していると思い込んでいたのですが
実は逆回転で-9時間。時差9時間の中央標準時を示していたのでした。
そしてこの短針が緑と赤のエリアに入っている時、
四百九十キロヘルツから五百十キロヘルツまでの周波数で電波を発信してはいけない時間帯。それを一目で確認できるようになっていたのでした。


本当にすっきりしました。
SEIKOさんお手数をおかけしました。
船舶というキーワードのおかげですべての意味がわかりました。
ちょっとした謎解きのようで楽しい調べものでした。
by santana-t | 2008-10-12 16:25 | Clock
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